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ローン審査の現実

第8話

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現実というのは、とても厳しいものです。

この世界は信用によって成り立っている、ということは知っていましたし、真っ当に生きている人間は信頼がおけると思います。

もちろん私も、子供の頃から真っ当な人生を歩んできたつもりでした、

それなりに厳しい両親によって育てられてきたこともあり、ある程度は真面目な生き方をしてきました。

確かに以前、ちょっとした手違いから消費者金融からお金を借りたことがあります。

でも支払いは怠っていませんでしたし、一度として遅れたことはありません。

しかも、借金の支払いは既に終わっていました。

完全に支払い終わるまでプロポーズは控えていましたし、それが済んでから結婚しました。

年収的には、地方の一般サラリーマンの平均よりちょっとだけ高かったはずですし、そこまで信頼性は失われていないはずでした。

でも、私は住宅ローンの審査に落ちました。

それも比較的楽と言われていた、滑り止めで受けたつもりの??銀行の審査に落ちたのです。

別の銀行でローンを組む!?

携帯電話で聞いた不動産屋の話は、私には死刑宣告のようにも思えました。

私「えっ、銀行の仮審査に落ちたということですか?」

不動産屋(以下、不)「実際には、どういった理由かは解からないのですが、そんな感じですね」

私「それって、☓☓銀行ですよね?」

不「そうですね」

私「じゃあ、○○銀行の方はまだ審査は終わっていないんですよね!?」

不「確かにそうですが、○○銀行さんは審査が厳しいので…」

私「そうですよね…」

不「一応私の方で、まったく別の銀行さんのローンを準備していますので、念のためそちらの審査も受けていただければと思います」

不動産屋の担当者の方は言葉を選んでいましたが、私もローン関係の仕事をしたから知っています。

銀行のローン担当者は守秘義務があるため、取引先であっても顧客の審査状況について詳しくは事情を話しませんが、ニュアンスなどで厳しいことを伝えてくるからです。

ローンの審査がもう少しで通りそうであれば、保証人を付ければ問題ないという話もありますし、頭金を追加するなどの処置などでもまた変わります。

ギリギリ審査が通らないのであれば、多少の融通は利くのです。

しかし、まったく問題外の場合はそうはなりません。

ローンを契約した本人に確固たる信用がない場合には、問答無用で審査は落とされるからです。

今回の私の審査の結果は、まさにそれを表していました。

私の信頼度で懸念されるのは、過去の消費者金融の借り入れです。

以前、私は会社の同僚から「起業するから一緒にやらないか」と誘われました。

その時に諸経費として必要となるお金として、何を思ったのか消費者金融で借りることにしたのです。

しかも、同時に2社から借り入れました。

本来起業するのであれば、役場の補助金をあてにしたり、金融公庫などに相談するのが一般的ですが、当時の私はそこまでの知識がありませんでした。

そこで同僚に言われるがまま消費者金融でお金を借りたのですが、そのお金は全て同僚が管理していました。

支払い日は来るのですが、何時になっても話は動き出すことがありません。

気が付いたときには借金だけの支払いだけに追われる身になり、同僚とは連絡も取れなくなりました。

軽く150万円を越える金額を、私は働いて返す以外にありませんでした。

同僚を訴えるという選択肢もあったのかもしれませんが、そこまでする度胸も知識もありません。

私は仕事を変え、より自分の力で稼げる営業マンの道へ入りました。

そこで働き、5年をかけて完済させました。

こんな話は、もちろん奥さんにも話せませんでした。

既に過去の話ですし、いつまでも過去にばかり目を向けていても、何も始まりません。

未来へ向かうためにも、私は自ら茨の道を歩くことを決めた、というと格好良いかもしれません。

しかし、現実は厳しいものでした。

新婚夫婦の新しい門出のはずが、住宅ローンの仮審査に落ちたのですから…

恐らくは、不動産屋の担当者からも「こいつは駄目だな」と思われていたと思います。

私は言われるがままに不動産屋に赴き、新しい銀行のローン用紙をもらいました。

不「こちらに記入をして、捺印して持ってきていただけますか」

不動産屋から渡された銀行のローン用紙は、これまで記入した二枚の用紙とは異なります。

仮審査の用紙に、過去の職務経歴などを記入する部分があります。

まるで履歴書です

私「これは、細かいですね」

不「そうですね、こちらはかなり細かいことを記入することになりますので、自宅で書いていただければと思います」

どうやら、こちらの銀行はさらに審査が楽になるようですが、その分金利も高めに設定されていました。

私はその用紙を手に取りながら担当者に、事の顛末を話すことにしました。

過去に消費者金融で借りたことがあることや、その借金も全て払い終わっていることなどです。

担当者は「なるほど」と言いながら、「確かに厳しいですね」と付け加えました。

不「☓☓銀行が難しかったとなると、〇〇銀行はもっと難しいと思いますので、少しでも可能性のある△△銀行で審査を受けた方がいいと思います。

特に銀行さんは厳しいので、いざと言う時のことも考えておいた方がいいかもしれません」

私「いざと言う時?」

不「もしかしたら、奥さんにローンを組んでもらうことも考えたおきましょう

ローンが通らない可能性

不動産屋も、顧客の味方です。

お客さんの「住宅が欲しい」という願いを叶えたい、と思うのは当然です。

欲している住宅があれば、それに対して全力でサポートをしてくれます。

不動産屋にとっても当然利益になりますし、お客さんからも感謝されます。

ローンが通らないのであれば、通りやすくするために最大限の方法を考えてくれるでしょう。

でも、そこには最低限のルールがあります。

どんなにお客さんのためとは言っても、あくまで越えてはいけない、話してはいけないものがあるのです。

特に不動産のような高額の商品を売る側としては、それを購入する一家の大黒柱のプライドを傷つけてはいけません。

私も営業マンの端くれでしたので、その点については十分に承知していました。

でも、この不動産屋の担当者は、その垣根を簡単に越えてきました。

ちょっと天然なのが気になってはいましたが、軽く踏み込まれてきたので、私もちょっと驚きました。

私「奥さん名義でローンを組むということですか?」

不「そうですね(笑)」

普通の人なら、どんな反応をするのでしょう?

怒る人もいるかもしれませんね。

でも私は持ち前のヘタレの精神を持って、ちょっと頷くだけでした。

恐らく担当者は、私が住宅ローンに通らないブラック顧客だと思っていたのかもしれません。

この時点で、担当者は諦めていた可能性もあります。

正直、私も奥さんにどんな言い訳をするべきか、ちょっと考えてしまいました。

今回のマンションを諦めるのか、それとも奥さん名義でローンを組んでもらうか、です。

私が住宅ローンに通らないのであれば、どちらかの選択肢しか残っていません。

新しく渡された住宅ローンの用紙を持って、その日は自宅へ帰りました。

私は平日休みでしたので、奥さんは仕事中です。

自宅では、過去の職務経歴を一つ一つ書いていきました。

恐らく奥さんは、私が住宅ローンに落ちるなどとは、想像もしていないでしょう。

どう伝えるべきかを考えている私は「あっ、コインランドリーに行かないと」と、現実逃避をするかのようにコインランドリーへ向かいました。

この時期はちょっと洗濯機の調子が悪かったので、休日にはコインランドリーに行って洗濯していました。

コインランドリーで洗濯が終わるのを待っているときも、奥さんに何と言って話せば良いのか、凄く考えていました。

そんな時に、私の携帯電話が鳴りました。

担当者からです。

正直、この時の私は担当者と話をするのも、嫌な気持ちだったと思います。

でも仕方ないですよね。

電話に出るしかありません。

私「もしもし」

不「あっっ、〇〇銀行ざんの仮審査ぎゃ通りゅました!!!」

私「ふえっっっ!!!!!!!!!マじゅで!!!!!」

人間はあまりにも驚くと噛み噛みで、おかしな返事をするみたいです。